次のページ 前のページ 目次へ

5. Linux ディストリビューション

5.1 RedHat

MIPSeb (ビッグエンディアン MIPS) 向けには、Rough Cuts Linux (以前 Hard Hat Linux と呼ばれていたもの) があります。これは RedHat Linux 5.1 のほとんどを MIPSeb に移植したものです。これは ftp://oss.sgi.com/pub/linux/mips/redhat から入手できます。

これは M68k、UltraSparc、PowerPC 向けとあわせ、"Rough Cuts" という名前の RedHat 社のパッケージとして販売されていたため、RedHat の製品を売っているところで入手できました。 これは 280MB のダウンロードを行わず手に入れるには一番簡単な方法です。 RedHat はもうこの製品を作っていませんが、 運が良ければどこかの店かネットのどこかでこの CD が見つけられるでしょう。

Cobalt Qube を対象にした RedHat 5.2 のディストリビューションがあります。 バイナリは MIPSel (リトルエンディアン MIPS) アーキテクチャの他のマシンでも完璧に走り、 ftp://intel.cleveland.lug.net/pub/Mipsel から入手できます。 ftp://bolug.uni-bonn.de/mips に Redhat 6.0, 6.1 や 6.2 からのいろいろな rpm パッケージがあります。

5.2 Debian

Debian への移植はまだ作業中です。現時点では SGI/Linux を元にして立ち上げようとしており、dpkg はほとんど変更なしにマシン上でセルフコンパイルできています。 SGI 版以外に、リトルエンディアン機種への移植の関心も表明されています。 開発状況は Debian-MIPS 移植のページ http://www.debian.org/ports/mips/ に注目していてください。

【訳注:ここに書いてあるよりかなり進んでいます。現時点では DEC Station で リトルエンディアンポートが動作中。】

5.3 Simple

このディストリビューションはいまのところビッグエンディアンシステム向けです。 これは高度に実験的なもので、最新の gcc、binutils、glibc とカーネルを試したいユーザのためのものです。これは MIPS 用としては、 唯一となる glibc 2.2 を用いたディストリビューションです。 最新のバージョンと付属のリリースノートは ftp://oss.sgi.com/pub/linux/mips/mips-linux/simple から得られます。 また開発の助けのためのクロスコンパイラシステムも提供されています。

5.4 Algorithmics ツールチェイン

完全なディストリビューションではなく、単なる Linux ツールチェインです。 但し、これには MIPS 向けの商用サポートがあり、無償のスナップショットが提供されています。

Algorithmics 社は MIPS のサポートが専門で、開発環境の個々のツールについて独自のソースツリーを維持しています。 時々、オリジナルの GNU リリース (そのままでは MIPS のようにマイナーアーキテクチャではバグが避けがたいため) との同期も取られており、最も幅広い範囲の MIPS CPU に対して、最も信頼性が高く、最高の性能を叩き出すコンパイラを提供することに注力しています。

これは私たちの SDE-MIPS 組み込みツールキットの中心となるコンパイラと同じもので、2002 年一月出荷の Linux カーネルとアプリケーション開発の両方に対して http://www.algor.co.uk/algor/info/sde5.html v5.0 から完全サポートされています。


次のページ 前のページ 目次へ